骨再生治療法
骨再生治療法とは
インプラントをするのに埋めるための歯槽骨が不十分な場合、「骨を増やす」ということが可能です。この歯槽骨を増やす手術のことを「骨再生治療法」といいます。歯槽骨を再生する技術としてはいくつかありますが、当院では「TE-BONE」と呼ばれる歯槽骨再生治療法を採用しています。この方法であれば、他院で「骨が足りない」という理由でインプラントを断られた患者様でも、インプラントを行うことが可能になります。
インプラントを埋め込むためには十分な歯槽骨が必要
歯槽骨は様々な原因で吸収してしまう
歯槽骨というのは、歯が埋まっている部分の骨のことで、歯を支えるために必要不可欠な骨です。ところが、歯槽骨は様々な原因で吸収してなくなってしまうことがあります。
例えば、歯を失ったあとに噛む刺激が伝わらなくなってしまった場合、合わない入れ歯を使い続けた場合、歯周病によって骨が破壊された場合などです。
このようなことが起こって歯槽骨が重度に吸収すると、インプラントを埋め込むことが不可能になります。インプラントを埋めて安定させるためには十分な歯槽骨が必要だからです。たとえ無理に埋め込んだとしても、土が少ない部分に木を植えるのと同じように、安定が得られず、グラグラの状態になってしまい、すぐに抜け落ちてしまいます。
インプラントを埋めることで骨が吸収しにくくなる!
インプラントの周囲の骨の吸収が抑えられ、骨をいい状態に
歯を失った後にいったん歯槽骨が吸収すると、インプラントを埋められなくなる、そしてそのままさらに放置しているとさらに骨が減っていく…という悪循環を断ち切ってインプラント治療を可能にしてくれる骨再生治療法。そして骨再生治療法を行い、無事インプラントを埋められれば、インプラントを通じて噛む力が骨に伝わるようになるので、今度は逆にインプラントの周囲の骨の吸収が抑えられ、骨をいい状態に保ちやすくなります。
歯槽骨再生治療「TE-BONE」
「TE-BONE」は、これまで歯槽骨が不足していて、インプラントができなかった方、インプラントの安定性が得られなかった方でもインプラント治療の可能性を大いに高めることのできる治療法です。
これは、東京大学医科学研究所と株式会社TESホールディングの共同研究で開発された再生治療法で、患者様自身の幹細胞及び血清を用いて作製された培養骨を移植して歯槽骨を再生させる、という新しい技術で、注目を集めています。
従来の骨再生治療法
従来骨を増やす方法としては、
・自分の骨(腰や顎)を削り、移植する方法
・献体骨や動物由来の骨補填材を使う方法
といった方法が行われていました。
しかし、ご自分の骨を削って移植する場合、成功率は高いものの、骨を増やす場所だけでなく、骨を採取する場所の痛みや腫れも起こる問題、また手術時間が長くなり、身体的負担が大きくなってしまうという問題があります。また、骨補填材を使用する場合、長期の経過により骨吸収を起こし、インプラントの脱落へつながるケースも少なくありません。
「TE-BONE」は患者様の負担が少なく、高い治療効果が期待できる
「TE-BONE」は、患者様ご自身から採取した幹細胞や血清を使って、骨を再生するという方法です。
この方法なら、インプラントを埋める場所以外の手術が必要なく、かつ手術時間も短くすることが出来るので、患者様の負担を少なくすることができます。また、患者様ご自身の細胞を使うため拒絶反応がなく、ご自分の骨を移植します。
TE-BONEのメリット
■ 患者様への体の負担が少ない
必要となる幹細胞や血清といったものの採取は局所麻酔下で行いますので、大きな痛みを感じることはありません。また、採取に要する時間は30分程度、採血や術後安静なども含めた全体所要時間は2時間位ですので、もちろん日帰りで行えます。
一方、ご自分の骨を削って移植する場合、大量の骨を採取しなければならない場合などでは、手術時間も長くなりますし、2〜3週間の入院が必要になることもあります。