歯をすべて失っても、わずか4本のインプラントで、最大12本の連結した人工歯を支えるオールオン4は、その快適性と機能性の良さから人気の治療法です。
オールオン4は通常のインプラント治療では難しいような骨が比較的少ない方でも治療が可能になることが多く、そういった意味でも適用範囲が広い治療法ではありますが、中には治療が不向きな方もいらっしゃいます。
そこで今回は、オールオン4が不向きな方とはどのような方なのか、ということについてご紹介していきます。
オールオン4が不向きな方
1.歯が残っている方

オールオン4は4本のインプラントを埋めて前歯から奥歯まですべて連結した人工歯を固定する治療法です。つまり、歯をすべて失った顎に対して行われる治療法です。
それゆえ、上の歯、または下の歯が1本でも残っている状態ではオールオン4治療を行うことはできません。
もし歯が残っている場合でも、基本的には例えば歯が虫歯や歯周病で弱っており、抜歯適応の状態になっているようなケースが適応となります。
2.あごの骨がかなり失われている方
オールオン4は、通常なら多くのインプラントを入れなければならないところを、4本のインプラントを埋めるだけで全体的な歯を構築できるので、骨の状態が良くない部分があっても、比較的骨の状態の良いところを選んでインプラントを埋め込むことができるのが強みです。
ですが、あごの骨があまりにも失われ過ぎている場合にはオールオン4すらも難しくなる場合もあります。
3.タバコを吸う方

タバコを吸うと血流が悪くなり、歯茎に適切な酸素供給ができなくなったり、免疫機能がうまく働きにくくなったりして、歯茎や骨などの組織が弱りやすくなります。
その結果、傷口が治りにくくなる傾向があり、インプラントを埋めてもあごの骨とうまくくっつかない場合があります。
仮にインプラントが骨にくっついたとしても、喫煙を続けているとインプラントの歯周病ともいえる「インプラント周囲炎」を引き起こしやすく、結果としてインプラントが長持ちしない、つまりせっかく入れたオールオン4も早くダメになってしまうリスクが高まります。
4.メンテナンスを継続できない方
インプラントは人工物なので天然歯よりもお手入れしなくていい、と思っている人がいますが、それは間違いです。
インプラントは人工物とはいえ、骨に埋め込んでいる生体の一部ともいえるものですので、インプラント周囲のケアがきちんと行われないと、周囲から細菌感染を起こしてインプラントを支えている骨が溶けて失われていってしまいます。
そのため、オールオン4が入っている方も、良い状態で長持ちさせるためには、食後の丁寧な歯磨き、免疫力を下げないような生活習慣、定期的な歯科でのメンテナンスといったことが必須になってきます。
実際に治療ができるかどうかの診断は、歯科医師がお口の状態を拝見させていただいたうえで行いますので、これまでに「インプラントは無理」と言われた方でも一度当院までご相談ください。
当院はインプラント治療を専門的に数多く行っており、難症例と呼ばれるケースであっても、幅広い治療法の選択肢から患者さまに合ったインプラント治療のご提案が可能ですので、まずはあきらめずにご相談ください。